2021年12月07日

第4回「2021不登校生のための進路相談会」を開催しました。

11月14日、今年度最後の第4回「不登校生のための進路相談会」を開催しました。

今年度4回の参加者は、43組59人(子ども2人)、うちZoomによる参加者は14組でした。相談者の対象は、例年通り中学2、3年生の相談が多いのですが、小学低学年から高校生まで幅広くありました。支援者や養護教諭の方の参加がありました。
コロナ禍の対策でのZoom開催でしたが、Zoom参加で体験談を続けて聞きたいと参加された方やZoomなら子どもと参加できそうなので、今後も続けてくださいという感想が寄せられました。
会場での対面参加を希望される方も多く、Zoom参加も合わせて、来年度の開催に向けて準備していきたいと思います。

来年度も例年通り、開催を予定しています。決まりましたらお知らせしていきます。


今回の体験談は、フリースクールドリームフィールドのスタッフ池上千絵さん(ちえぞうさん)です。
今回は、静岡新聞の取材があり、池上さんが取材を受けてくださいましたので、実名で体験談を掲載します。
質問者は当会の代表でフリースクールドリームフィールドの代表でもある大山です。

大山:ドリームフィールドに通ったのは、いつから?
池上:2004年、スクールが始まってから。

大山:スクールに来る前は、どうだった?

池上:小学校2年から不登校だった。今思うと、幼稚園くらいから幼稚園に通いたくなかった。朝も今日もいかないと駄々をこねた記憶があり、その頃から不登校の素質があったかも。
中学校も1週間くらい通ったけど、合わないと思った。中学1年生の頃に、ドリームフィールドができて、ちょっと通ってみようかなと思った。

大山:不登校歴が長いだけど、「学校に行かないぞー」と行かなくて済んだ?
池上:両親が忙しかったので、私を祖母がみてくれていて、祖母は「学校が楽しくなさそう」と気づいていたみたいで、小2の時に「もう、学校には行かないことにする」と宣言したときに、母は「そうなの」と言って、祖母から聞いてたみたい。
父としては学校に通わせなければいけないと思っていたみたい。母は無理に通わせてもしょうがないかなと思って、学校に合わないことを感じていたみたい。無理矢理行かせようということはなかった。

大山:どうのように過ごしてた?
池上:日中は、祖母のところで過ごしていた。「勉強しなくていいの」「学校行かなくていいの」と言われなかった。フルーツパークに連れて行ったり、学校行くこと以外のことをやらせてくれていたと、いま思う。

大山:おばあちゃんちがフリースクールだったよね。
池上:そうですね。いろいろと教わった気がする。

大山:一般的な学校の勉強はやらなかった?
池上:自分では本を読むのが好きだったので本を読んだり、今みたくYouTubeとかなかったのでEテレみたりしてた。勉強は学校のプリントは、全然しなかった。

大山:それでも、家の人は心配しなかった?
池上:もともと自分が、テストで100点取らなきゃとか先生に怒られないようにしなきゃとかが強くて苦しんでいたので、あえて触れないようにしてたと思う。

大山:なぜ、フリースクールに行こうと思った?
池上:このまま、家にいるのは良くないと思った。

大山:飽きてきたと思ったことはある?
池上:う~ん。そうですね・・・。

大山:不登校の子どもは、外へ出るタイミングがある。外へ出たくなるタイミングに選択肢があると良いけど、無理矢理にひっぱりだそうとすると中に入ってしまう。
池上:自分の場合は、中学校が決定的にダメだと思って、そう考えるとこの先学校に行く選択肢はないと思った。だとすると、他の選択肢を見つけた方がいいと思った。

大山:中学校のどんなところが、徹底的にダメだと思った?
池上:妙に上下関係に厳しくなって、1年生はジャージの前を一番上まで閉めてないと目をるけられるよとか、どうでもいいことが増えした。柄のついた靴下はダメだよとか、それを同級生同士が見張っているとか、そういうのが気持ち悪くて。同調圧力みたいのがダメ。


大山:そういうのを身に着けて、大人になちゃう。
最初にちえぞうを見たとき「頑固な子」だと思った。それは尊重しないと思ったけど、もう少し丸くなってくると良いなと感じた。だんだん丸くなって成長しているけど、自分の中ではどう?

池上:自分の完璧主義のところ、こだわりの強いところとか自分が正しいと思って他人に押し付けてしまう部分は、フリースクールに通い始めて見えてきたところ。自分は、こういうところが関わりずらいんだというところが整理できた。

大山:自分自身を客観的にみえるようになってきた?
池上:そうですね。自分はこうあるべきと思っていたところ「勉強はできなくていいんだ」「何もかもちゃんとしてなくてもいいんだ」と思えるようになった。

大山:社会通念みたいなところから自由になると楽になるね。
池上:そうですね。人に押し付けないようにしようと思った。

大山:静岡中央高校通信制に通うことを決めたのは?
池上:中学校の時の雰囲気、毎日学校に通って、同世代の中にいてというのは自分に合わないと思っていた、静岡中央高校だったら、スクーリングはあるけど平日は家やフリースクールで勉強すればいいし、自分のペースに合っていると思った。

大山:勉強することは難しかった?
池上:自分で勉強することが基本、私の場合は、フリースクールで勉強を教えてくれる先生がいて、その時に勉強がわかないところや進め方は教えてもらった。静岡中央高校に通っている子が何人かいたので情報共有をして、テストの問題を教えてもらったりした。全くひとりでわからいところを進めるのが、通信制の難しいところ。

大山:よかったところは?
池上:ペースに縛られないところ。行事も自由参加なので、体育大会に出たければ出ればいいし出たくなければでなければいい。自分は出たことないけれど、出た子の話では、ガツガツ「クラスで点を取りに行こうぜ」という体育系でなく、割と緩くに参加できる感じなので、そういうのが苦手な子は参加しやいかも。

大山:ちえぞうは、体育とか苦手だと思うけど?
池上:体育は、ほぼ同じスクールの子と出てて、ペア組むときは一緒に組んでた。

大山:楽な科目の単位の取り方とかは?
池上:体育は1年間で、何月は球技、体操とかカリキュラムが決まっているので、年後半には学校の周りをウオーキング、1時間45分くらい歩いくというのがあるので、それで単位分を取った。
数学は苦手で、ほぼ意味がわかっていなかったけど、1年生の時はお母さんが解いたのをそまま提出した。テストは、ほぼ35点ギリギリだったけど合格してやり過ごした。

大山:選択科目は、どう取った?
池上:理数系が苦手だったので、地理と日本史や社会系倫理とかビジネス基礎とか取って、テストは穴埋め式で穴を記憶しておけば取れる。自分の得意に合わせて取れるのは、通信のいいところ。

大山:4年で卒業したのはなんで?
池上:スクーリング少ないとはいえ、やっぱり行くのはすごく嫌だった。
3年で行った子もいたけど、それはそれ以上行きたくないって。

大山:ちえぞうは絵がすごく上手で、フリースクールの作品展は何年の時に出してくれた?
池上:フリースクールに通っていたのが、中学生なのでそのくらい。

大山:絵を生かしていければいいと思っていたけど、就労支援場所のいもねこカフェやいもねこクッキーを作っているロゴのデザインとチラシは、ほとんど全部ちえぞうがやっている。自分自身は、戸惑いとかなかった?
池上:なんで急にとか?でも、よくある無茶ぶりかなと思った。

大山:高校卒業するときに、大学や専門学校に行くという選択はなかった?
池上:いくつか迷ってはいた。自分が何に向いているか、得意なこと苦手なこともわからなかった。通信の時に、自分は締め切りに合わるのは苦手だと思ったけど、それは克服できるものなか、頑張らない方がいいのか見えていなかった。震災の起きた年で「この先、日本どうなるか?」と思った。

大山:その年に、フリースクールが児童デイサービス(現在は放課後デイサービス)として使えるようになって、18歳以上の子は就労支援と福祉事業所として使えるようになった。
ちえぞうの賢さとアートのセンスは評価してたけど、何かにのめりこむとブレーキが利かくなるし、でも極まなけらばストレスもたまるだろうなというところで、バランスが必要かと思った。デザインはメインだけど、スタッフとなって、子ども達との関りが増えた。
賢いし考えるしアイデアの出してくれるし助かっているけど、どこかで方向を示してあげる必要性を思いながらいる。最初は、子ども達と関わってどう思った?

池上:ドリームフィールドは上下関係がなくて、フリースクールに新しく来た子を案内するとか話をするとかはスクール生同志が行っていることも多かったし、スタッフになってから責任もって見なきゃというのはなくて、いままでの延長線かなと思った。

大山:やってからの難しさはあったと思うけど?
池上:どうしても、この子にこういうの合わないのかな難しいのかなと、勉強だけではなくて、ちょっと音楽やってみる絵を描いてみるとか言ってみるみたいな。
その子が自身がやろうと思ってないことでも、案外やってみると上手くできたり楽しかったこともあったりするけど、こっちが思い込んじゃうといつまで経っても踏み込めない。思い込まないようにしようと思うけど、日々のルーティンでサインを見逃すこともあるので、気を付けようと思う。

大山:子ども達の意外性は、面白いよね。
池上:この子とこの子は合わないだろうなと近づけないようにしてたけど、話してみるとうちとけたりとか、自分自身が急に「ロゴ作ってよ」と言われて作ってきたので、それをみんなにしていこうと思う。

大山:学校は苦手なことでも、みんなやりなさいよと押し付ける。でも、時には新しい出会いや学問の目覚めとかあるけど、トップダウンでやってしまいがち。家庭とか近くの大人とかは、逆に守りに入ってしまいがち。その中間の部分が必要だと思う。傷ついてりしないように、新しいことを知ったり可能性を見つける、そのバランスが難しい。ちえそうは、その中途半端の部分で働いているから苦しかったり難しいと感じると思うけど、経験の中でどう?
池上:自分はこうだけど、他の人は違うだろう。でも、先生だったらやってみようというかなと考えている。やったからといって、上手くいくわけではない。

大山:親はやるからには頑張ってやってもらわなきゃとか、お金出すからちゃんとやってとみないになってしまうけど、ダメもとで辞めたくなったらやめてもいいよくらいの気持ちの方が、わりとフィットしたり、合わないときは辞めたりできる、そういのが必要。
前からやってるドラムは、最近どう?

池上:最初は自分もやる気なかったけど、他の子がやっているのをみてやってみようと思ったけど、上手くなりたいとかガンガンやろうとは思わすにやってきたからこそ、続けてきたと思う。

大山:フリースクールのスタッフになって良かったこと、良くなかったと思うことは?
池上:フリースクールに17年間いて、他の生き方を知らないのでいいのかなとはあるけど、自分が人間として劣っているとは感じていないので、社会にでないとわからない世間知らずと感じる人がいるかもしれないけど、別にそこで生きていればそれなりの成長はしていると思う。

大山:20年間教員やっていたのでわかるけど、いまいるスタッフは教員ができる。学校の先生より、スキルがあるし、丁寧によく子どもをみてる。学校の先生の手法は、子どもをみずにひとつの手法で押し付ける。叱るときのスキルを身につけていて、しかりながら受け止める許せる、友だちと喧嘩しても両方と同じように接するので、すごいなと思う。
最後の保護者の皆さんに、アドバイスをお願いします。

池上:自分も保護者の年齢に近づいてきて、時にはこの子何回言ってもきかないなともどかしく感じることもあって、このまま人の意見聞かなくて育って大丈夫かなと勝手に心配になるときがあるけど、もっと大きい目でみたりとか、自分が子どもの頃のことを考えると、案外なんとかなという実感ある。やっぱり、ちゃんとやらなきゃと思うのは苦しい。
大山:ゆとりとか遊びがあるといい。ちえぞうは、サービス管理者の資格も持っている。
通信制高校はでたけど、学歴は関係ない。子どもがどうしたいかを大事にしてほしい。


第4回「2021不登校生のための進路相談会」を開催しました。




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Posted by hiro at 00:31│Comments(0)活動事業
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