2017年12月04日

「2017不登校生のための進学相談会」が終わりました

11月11日、4回目の相談会には、16組21名(子ども1名)の参加者があり、今年は76組123名(子ども10名)、いままでに一番多くの参加者となりました。

例年通り 相談対象者の子どもの学年は、中学3年生が一番多いのは変わりませんが、小学生、中学1,2年生の参加者があり、小学生は中学校の進路相談、中学生は高校進学について、前もって情報を知りたいという方が増えています。
高校生の相談も2割近くあり、高校の不登校生は留年か退学か、転校が良いのか、切羽つまった状況での相談がありました。
中学生のときに不登校経験があり、私立通信制高校や不登校生を受け入れている学校に進学したけれど、不登校になっている相談が目立ちました。

参加者の中には、不登校生を受け入れる学校情報を調べたり、オープンキャンパスにでかけていたり、志望校を考えている方が増えてきました、相談会では、その情報を確認したり、選択は間違っていないかなど、具体的な相談が多く聞かれるようになってきました。
2,3年前から毎年参加している方、今年2回参加された方もいらして、昨年度の相談会が参考になり、進路を決めているという嬉しい報告がありました。不登校支援に関わる方や不登校生の受入高校の先生方、関心を持って参加された方も、昨年より増えました。

相談会の目的は、「保護者と子どもが、進路を決定するためには、子どもの状態に合った必要な情報を得ること」です。
そのために開催している相談会の必要性を、ますます感じることとなりました。

来年度の相談会開催の予定は、またブログに更新します。

4回目の相談会の体験談は、小学校1年生から、中学3年生まで不登校で、大平台高校定時を卒業して、現在は静岡理工大学の大学院生のYさんです。

Q,小学校1年のとき、不登校になった理由はありますか?
そのときは、よくわからなかった。いじめがあったわけではないし、友達がいなかったわけでもない。
私は覚えていないけど、父から聞いた話では、保育園の頃から同じ年の子どもの中に入るのが苦手で、小さい赤ちゃん組みのところに行って、お世話をしていたらしい。同じ年長さん組のところに入れなかった。小学校の入ったときも、年の近い子がダメで、同性が苦手で、学校に行けなくなった感じかな。
小さい頃から、人と自分が比較されるのが苦手で、小学校のときに絵で賞を取ったとき「絵の賞ってなんなの?」と聞いたら、「偉い人が見て、絵を良いと評価してくれたんだよ」と言われて、「じゃあ、もう絵は描かない」といったことがある。

Q,不登校だったとき、その間は、保健室登校をしたときもあった?
A,小4のときから保健室登校をした。小学校のときは、教員ではないけど、算数とか社会を教えてくれる人がいた。中学になったら勉強を教えてくれることがなくて、最初は勉強道具を持っていったけど、家で勉強すると変わらないと思って、行かなくなった。


Q,中学生の頃、お父さんと動物ボランティアの活動をして、好きな写真を撮ったりして、外出をしていた?
A,引きこもりとではなくて、父が犬猫のアニマルセラピーのボランティア活動をやっていて、老人ホーム、障がい者施設、養護施設に行って、動物と触れ合うことをやっていたので、その手伝いをしていた。あとは、捨て犬、捨て猫を保護する活動の手伝いをしていた。

Q,その活動は、大人の人が多かったから、できたのかな?
A,年上の人の中だったら、普通にできるので、平気なのでできた。

Q,高校へ進学しようと思ったきっかけは?
A,聞かれることがあるけど、きっかけはない。けれど、中学のとき、こう思ったということはあった。
このまま学校にいかなくて、年の近い人が苦手という感じで、ずっと生きていると社会で生きていけないなと思った。小学生、中学生のときは良いけど、高校、20代、30代と続いたら、ニートとか、ひきこもりとか、ホームレスになるのではないか、やばいと思って高校に行こうと思った。
高校は、定時制と通信制があるのは知っていた。自分にいま何が足りないかと考えたとき、みんなと一緒に同じことをする、決められた時間に同じことをすることができないと思って、それを克服するには、通信ではダメだと思って、近くに大平台高校定時制があったので、そこに進学しようと思って進学した。

Q,入試の勉強はしました?
A,中学のとき、暇だったので教科書をパラパラみたときに、科学の教科書の一番最初のところに載っていた物理の写真を凄いと思って、科学が好きになって、ほとんど独学で勉強していた。科学と数学と国語はやっていたけど、途中で挫折した。入試のときは、先生から対策問題をもらって、ちょこちょこ勉強していた。でも、入試のことはほとんど記憶がない。

Q,入試は、大変だったという感じはしない?
A,あまりない。大平台高校は、成績より面接の評価が強い。入試で受かる人は、面接で「この子は、学校にこれそうかな?」と思わないと取れないと元担任の先生が話した。
「それに受かったあなた達は誇っても良いんだよ」と言われて、そっかと思った記憶がある。自分の面接のときの記憶はない。

Q,高校に進学して、どうでした?
A,自由だった。制服もないし、髪型も自由。4年で卒業した。
私は科学が好きだったので、理系の大学に行きたいと思った。そのときに数学を勉強する中で、最初は数学Aの「∠A,B」の記号が、高校の基礎になっている中学の3年間の数学が抜けているのでわからなかった。そのときに、1,2年の担任の先生が数学が得意な国語の先生だったので、数学の授業が終わった後「教えてください」と言ったら「良いよ」って言ってくれて、毎週2時間教えてもらった。勉強したいと言えば教えてくれる。大学の進学率は1割弱、大学に進学したいけど、英語が苦手という友人3人に、担任だった国語の先生が、中学レベルの英語のプリントで、放課後に勉強会を開いてくれた。本当に、お世話になった。

Q,学校の雰囲気は、先生とは話しやすかった?
先生は、フランクです。

Q,友達もできたけど、大変な時期もあった?
友達もできて、学校は楽しいなと思っていたけど、3年生くらいからクラスに入るのが、ちょっと辛いなという時期があった。いじめとか何かあったわけではないけど、精神的なもの重なって、思春期というのもあってか、相談室でお昼を食べていた。でも、大学に行きたい思いはあったので、学校には行っていた。

Q,好きな科学を学びたいと大学に進学して、良かったですか?
良かったと思っている。勉強もできたし、いまの友達とも関われるようになったし、好きなものが明白になった。

Q,大学で、不登校になった話はする?
仲の良くなった友達には何回かしたけど、最初は、そうなの?とびっくりするけど、そうなんだという感じ。

Q,大学の勉強で、不登校の影響はありますか?
小中高の学校の勉強は、生きるために必要な勉強ではなくて、高校、大学入試ために必要なことで、大学に入って好きなことをちゃんと勉強していれば、小中学校の勉強が抜けていても大丈夫かなと思う。

Q,将来の夢は?
今学んでいる研究とか食品管理、専門職に就けたらと思っている。

〇最後に、参加者の皆さんに、アドバイスがあればお願いします。
自分の好きなことが見つかるといいですね。私は、科学が好きだから頑張れた。不登校で同級生と勉強できなくても、好きなことを見つけて夢をもって頑張ってください。

「2017不登校生のための進学相談会」が終わりました










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Posted by hiro at 00:42│Comments(0)活動事業
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